Overture
出典: KONTAKUN for KONTAKT DTM DAW user
Overture(オーバーチュア)はGenieSoftが開発・販売しているノーテーション・ソフトウェア(楽譜作成ソフト)。最新バージョンは2005年秋にリリースされたver.4になる。 各種のオーケストラ・ライブラリー用の初期設定が組み込まれていることから、"THE notation program for sound library users"とユーザー達から呼ばれている。KONTAKTとの相性も良い。
目次 |
動作
Windows版とMac版がある。ただし、2006年3月現在、最新のOverture4はWindows版のみリリースされており、Mac版は開発中である。Mac版は現在、Overture3が最新バージョンである。
Windows: 95/98/ME/2000/XP 対応
Macintosh: 8.5 - OS X 対応
特徴
五線譜作成用のソフトウェアであるノーテーション・ソフト(notaion program)の範疇に入る。
単なる楽譜(五線譜)作成・浄書のためのソフトウェアではなく、GPO、VSL、QLSO等のオーケストラ・ライブラリーの各種機能を五線譜上でエデイットできるところが最大の特徴である。
管弦楽曲の作曲や楽曲のアーティキュレーションやニュアンスの再現を得意とする。
VSTi対応
CPU能力が許せば同時256個まで使用可。KontaktやKompaktなどのVSTiはもちろん、CrystalやSynth1などのフリーのVSTiも使用できる。(図1)
VST対応
5個までのVST FXを直列で使用できる。ただし、各トラック(楽器)別には設定できず、マスター・アウトプットのみに設定できる。市販のプラグインだけでなく、AmbienceVST、SIRなども利用可能である。(図1)
なお、ユーザーの要望により、出力されるオーディオファイルが16bitと24bitから選択可能になった。
五線譜でのmidiCC入力・編集
ベロシティやmidiコントロール・データを五線譜に重なるように表示させて編集できる。他にSonarの旧バージョンとよく似ているピアノロール編集画面もあるが、本機能を使えばウィンドウを切り替えずに編集できる。
演奏記号でのコントロール
クレッシェンドやデクレッシェンドに、変化させるmidiCCのナンバーを指定し、値を時系列順に複数設定できる。これらは、midiの再生に反映されるだけでなく、書き出したSMF(Standard midi file)にも反映される。(図2)
また、アップボウやダウンボウ、ペダルなどの各種記号にも同様にキースイッチなどを設定できる。
各種ライブラリー用の初期設定
たとえば、どのトラック(五線)にどのInstrumentを読み込んだかに応じて、演奏記号にアサインされるコントロールコード等が自動的に設定される。なお、ユーザーの好みで変更可能である。(図3)
例:スタッカート記号を音符に追加した場合
GPOのTrumpetが読み込まれたトラックでは、
→ Key switch = 設定せず
→ CC#21 length = 30
→ Duration =35%
→ Velocity +20
GPOのViolin KSが読み込まれたトラックでは、
→ Key switch =D1 (upbow & downbow 自動切換え)
→ CC#21 length = 40
→ Duration =70%
→ Velocity +15
といった具合に自動的に初期設定される。
VSL(Ghost noteを含む)やQLSO用の場合も同様に初期設定がされる。
1トラックに8種の奏法サンプルを設定
Voice切替機能を使うと、例えば、1stバイオリンのトラック(五線譜の段)に、サステイン、レガート、ピチカート、トレモロなどの各奏法を収録したInstrumentを8種類まで同時に設定できる。
したがって、奏法別に記譜するトラックを分けるなどをせずに一つのトラック内でキースイッチ等を使わなくても奏法の切替が可能になっている。結果として、楽譜の見た目の自然さと再生のリアリティが両立できている。
Tap Tempo 機能
PCのEnter Keyやmidi楽器の鍵盤などを指でテンポを刻んで、midiを再生しながらテンポを録音できる。 VSTiで再生しながら記録する場合はレイテンシー(発音の遅れ)があるので、多少の習熟が必要になるが、あとでマウスで修正することが可能であり、ざっくりと人間的な感じにTempoを書き込む用途として考えればよい。テンポの伸び縮みが多いクラシックの曲ではとても便利である。
なお、テンポの入力編集方法は、ピアノロール画面、上記の五線譜でのmidiCC入力編集モード、メトロノーム記号の記入、演奏記号(Allegro, adagioなど)の記入、そして、このタップ・テンポの5通りがある。
サポート/コミュニティ
下記参考リンクのサイトのフォーラムにて、数名のメンバーおよびプログラマーが中心となって精力的にサポートが行われている。サポートメンバーの多くはボランティアである。 バグ修正・新機能追加のアップデートは頻繁に行われており、重要な問題の報告がフォーラムにあった際に翌日に修正用パッチがリリースされたこともあった。
フォーラムでの議論は建設的でアットホームな雰囲気がある。
レビュー
from Dora
やはり、作曲は五線譜でないとつらい、というクラッシク寄りの人にはとても便利なソフトになっていると思います。特に、フルオーケストラの曲を作る場合は、ピアノロール画面ではなく、縦方向の見通しが良い総譜に限りますよね。GPOやVSLに限らず様々なソフトシンセをVSTiとして使えるのも嬉しいところです。私はKORG-M1のVSTiをOvertureで愛用しています。M1は立派なオーケストラ音源?の一種ですから。
キースイッチやmidiCCを演奏記号などに割り付けるアイデアは秀逸だと思いました。五線譜を見れば、今、音符以外にどのようなmidiデータを送信しているかを感覚的につかめるからです。本来は隠したくなるキースイッチやmidiのデータを、スコア上に見た目よく記入できるので、編集作業のモチベーションもあがります。
一方、自由に設定できるので、どの記号にどのデータを設定したかを忘れてしまい予期せぬ結果になってしまうこともありました。GPOをお使いの方はCC#64レガートの扱いに要注意だと思います。私はスラーの弧線にCC#64=127と割り付けたのを忘れてしまい、別の音源で鳴らした際に、サステインするのをとめることができずに困ったことがありました。じっくり楽譜を見てようやく思い出せました。
画面上または印刷される五線譜の品質も充分に高いと思います。少なくとも、作曲時のモチベーションを高めてくれる表示だと思います。
プロユースに耐えられる出力品質かどうかはアマチュアの私には判りませんが、市販されているポケット・スコアやピアノ譜レベルの美しさはあるのではないでしょうか。
音質については、割と良いと感じます。VSTエフェクトに対応していることもあり、CubaseなどのDAWを敢えてミックスダウン用に使わなくても、そこそこの品質のwaveファイルを作成できると思います。
まだまだバグが沢山ありますが、それが許せるほどの美点を持つソフトです。
小規模の開発会社であるため、将来に渡る継続性ではfinale等に劣るのではと思うこともありますが、作曲に関する機能面では勝るとも劣っていないのではないでしょうか。
海外のコンピューター・ミュージック関連のユーザー・フォーラムでもかなり話題にあがっているソフトです。
Overture SEが付属しているGPOパッケージのユーザーは、200 USドルでOverture4にアップグレードできます。(2006年4月現在では、Windows版のダウンロード販売のみ)
使用例紹介
以下のリンクはOverture4とGPOを使っているアマチュア作曲家のページです。(下の方が新しい曲)
彼は他のDAWを使わずにOverture4のスコアから直接にオーディオ・ファイルを作成しています。
http://www.thecatcottage.com/music/LouisMp3downloads.htm
以下のリンクは公式サイトのデモ・ページです、ユーザーが作成したmp3ファイルが聴けます。
http://www.geniesoft.biz/products/new_features_ove/newfeatures.htm
