弦楽サンプル特集
出典: KONTAKUN for KONTAKT DTM DAW user
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オーケストラの中の弦楽
知っての通り、オーケストラにおいてその中心となるのは弦楽部だ。主なオーケストラはヴァイオリン、ヴィオラ、セロ、ベースの4つを用いる。
ライブラリとしての弦楽
オーケストラのサンプルライブラリを購入する際には当然弦楽部の出来が気になる。 多くのライブラリの場合、ショートノートとロングノートが別に用意され、特殊奏法もそれぞれ音色として用意されている。 ショートノートの場合はスタッカート、スピッカート、ロングノートの場合はマルカートやサスティン、レガートなどである。 大規模なライブラリであればアタック成分をp~fなどでレイヤされている。レイヤの操作方法としてMIDI-CCレイヤクロスフェード、ヴェロシティクロスフェードの2つが主である。ヴェロシティクロスフェードの場合はノートのベロティシ値に応じてアタック時に発音サンプルを切り替えるものである。しかし、この場合、ノートの途中で抑揚をつける場合にボリュームをコントロールしてもアタック時のサンプルで音量が変化するだけにすぎず音色としての変化はない。MIDI-CCレイヤクロスフェードでは途中でMIDI-CCに応じてレイヤが切り替わることで抑揚をつけることが可能になる。
サンプルライブラリをいろいろつかったり、デモソングを聴くなかで感じることはロングノートの抑揚の難しさが第一点に挙げられる。アタックレベルやテンションに応じるレイヤが複数層に渡って用意されていないライブラリの場合は音色変化をつけるためにはLFOなどのサンプルモジュレーションを用いるしかなく、リアルスティックにするのには骨が折れるどころか無理といっていいだろう。そのため比較的低価格帯のライブラリの場合はロングノートが特に弱点になりやすい。また、ジャストフィットする曲想以外での使用が難しいともいえる。そのため複数所有のライブラリを自分で混ぜ込んでパッチをつくるのも相当重労働だが面白いと思う。
さらに、ロングノートでさまざまな表情を要求する場合はエスプレッシーヴォやスフォルザンドなどの演奏表現が用意されていることが望ましい。
ショート系の音色は比較的困ることはなく、それなりのライブリを購入すればかなりリアルな仕上がりにできることだろう。ただし、あまりに安価なライブラリの場合はボーイングのアップダウンが用意されていなかったり、ワンパターンしかないために、同一音の連続発音で機械的になる(いわいるマシンガン効果)。KONTAKTのサイクル・ラウンド・ロビンを用いたライブラリなどは回避できるので、そういったところに注意したい。
また、トリルやトレモロ、ピチカートなども比較的リアルな音色を得やすい。
さらに、オーケストラサンプル購入のための指標と考察でも触れているように、レガートなどの奏法では実現用のプログラムなどを用意しなければ再現が困難だ。
ライブラリ聞き比べ
今回はデモ曲として「Samuel Barber作曲のOp.11 Adagio for strings」(サミュエル・バーバ作品11、弦楽のためのアダージョ)をセレクトしておきました。なぜかというと、VSLのVIENNA INSTRUMENTS ORCHESTRAL STRINGS Iのデモとして同曲が用意されているからです。>>http://vsl.co.at/Player.aspx?DemoId=4865&Lang=1
打ち込みの際には日本でもっとも普及していると思われるクラシックCDの東芝EMIのBEST CLASSICS 100からDISC 5 FAVOURITE CLASSICSのトラック5に収録されているタイプを参考にしました。
演奏TEMPOをほぼ完全同期させてありますので、意味はありませんが重ねて聴くと面白いです。
なお、長々とやっても意味がありませんので、100秒地点(例外有)でぷっつり切っているのでご了承ください。
6つのライブラリにより7種類のデモを用意してみました。どれも私の打ち込みレベルの問題でメーカのヒトに怒られそうな出来栄えです。 EW USC版、BSAO版、MVSOS版はそれぞれの製品世代が古いので今となってはあまり意味がないかもしれません。
なお、ここのデモが必ずしもライブラリの能力を引き出すように作られているとは限りません。 他サイト等のデモ曲も参照してください。 また、ここで用意していない音源、使用している音源でのあなたの作りこみでのデモなどを募集中です。
デモ曲
主にOgg/Vorbis圧縮(またはmp3)にしてあります。対応コーデック、プレイヤを用いてご試聴ください。
- KHSO(E)版 Ogg/Vorbis:Kirk Hunter Symphony Orchestra Emeraldより KONTAKT2 コンボリューション使用 by Hirokazu
- GPO(sus_short)版 Ogg/Vorbis:GARRITAN PERSONAL ORCHESTRAより KONTAKT2 コンボリューション使用 by Hirokazu
- GPO(Lush)版 Ogg/Vorbis:GARRITAN PERSONAL ORCHESTRAより KONTAKT2 コンボリューション使用 by Hirokazu
- VSL.K.O版 MP3:VSL KONTAKT ORCHESTRAより KONTAKT2 コンボリューション使用 by Hirokazu
- 旧作VSL.K.O版 Ogg/Vorbis:VSL KONTAKT ORCHESTRAより KONTAKT2 コンボリューション使用 by Hirokazu
- EW USC版 Ogg/Vorbis:EAST WEST THE ULTIMATE STRINGS COLLECTIONより KONTAKT2 コンボリューション使用 by Hirokazu
- BSAO版 Ogg/Vorbis:Best Service Advanced Orchestraより KONTAKT2 コンボリューション使用 by Hirokazu
- MVSOS版 Ogg/Vorbis:「Vitous CD」と呼ばるMiroslav Vitous Synphonic Orchestra Samplesより KONTAKT2 コンボリューション使用 by Hirokazu
- HQOR版 Ogg/Vorbis:「HQ-QR Orchestral」によるデモ。SIR添加版 by Hirokazu
- EWQLSO Silver版 MP3: QUANTUM LEAP Symphonic Orchestra Silver Editionより 素の音版 by リリオオ
- EWQLSO Silver版 MP3: QUANTUM LEAP Symphonic Orchestra Silver Editionより SIR添加版 by リリオオ
- VSL OPUS1版 MP3: VSL OPUS1より パフォーマンスツール未使用 by フォルネンダー
デモ曲MIDI
希望が複数寄せられたので、デモ曲で使用した曲の参考MIDIを一般にも配布します。
一応ベロシティとMIDI-CC#1(MOD)の打ち込みデータを入れてありますが、音源ごとに調整するほうがよいでしょう。。 テンポも入れてあります。 こちらを参考にあなたのデモ曲を作成してみてください。 メール等で送っていただければ、こちらで公開したいと思います。
- サミュエルバーバ 弦楽のためのアダージョ(20小節まで)
購入するとしたら
- VIENNA INSTRUMENTS ORCHESTRAL STRINGS I&II : 独自エンジンによる中間音挿入という頭ひとつ抜け出したレガート。
- VIENNA INSTRUMENTS CHAMBER STRINGS : 独自エンジンによる中間音挿入という頭ひとつ抜け出したレガート。
- Kirk Hunter Symphony Orchestra Emerald, Ruby : KONTAKT2版のKSPによるレガート、ポルタメント処理
- Sonic Implant Symphonic String Collection : KONTAKT2版のKSPによるレガート、ビブラート処理
このあたりが候補になるでしょうか。少し古めでいえばGarritan Strings、VSLの旧シリーズなど。
KHSOや金銭的余裕があればVIENNA INSTRUMENTSが私としてはお勧めです。しかし、VIのデモでさえもCDと聞き比べるとちょっと物足りなさを感じます。サンプルプレイバックという限界か。 今後期待できるライブラリとしてはGPOAがあります。
